★ハーブ ローズマリーの可能性★
Positive effects on the brain by Rosemary
この論文のすばらしいところは、健常者(対象はイランの大学の大学院生)に聞き取り調査をして、ローズマリーによる様々な脳の健康効果を定量的に証明したということにあります。 病的な状態からの改善を計測しているわけではなく、健常人の傾向(物忘れ傾向、不安傾向及びうつ傾向)を評価しているのです。
ローズマリーは医薬品ではなく食品ですので、病院にいる患者さん達ではなく健常者に対しての作用を明らかにして初めて実用性が生まれると言えます。
~2018年2月のイランの大学の研究者が発表した論文~
A paper which researchers published from an Iranian university on the February 2018
Nematolahi P, Mehrabani M, Karami-Mohajeri S, Dabaghzadeh F. Effects of Rosmarinus officinalis L. on memory performance, anxiety,
depression, and sleep quality in university students: A randomized clinical trial. Complement Ther Clin Pract. 2018 Feb;30:24-28. doi: 10.1016/j.ctcp.2017.11.004. Epub 2017 Nov 13. PMID: 29389474.
目的:ローズマリーの記憶能力、不安、うつ及び睡眠の質に対する効果を健常者(大学生及び大学院生)を使って評価する。
方法:68人の学生をプラセボ及びローズマリー投与群(それぞれ34人)にわけ、500mg のローズマリーの乾燥葉を1日2回
(1日合計 1000mg)を1月にわたって投与し、物忘れ傾向、不安傾向及びうつ傾向を評価した。
結果:物忘れ傾向、不安傾向及びうつ傾向に関して有意な改善効果があった。
結論:ローズマリーの乾燥葉は健常者の脳に対して有意な健康効果がある。
Before
After
Tendency to forgetfulness
Tendency to anxiety
Tendency to depression
ROSEMARY
PLACEBO
一日当たり乾燥葉 1g で有意な効果があったというのは注目すべきでしょう。
なぜなら乾燥葉の植物細胞はセルロースで囲まれているため、草食獣以外の哺乳類では消化率は低く、
ほんの一部の有効成分(多分カルノシン酸でしょう )が吸収されるにすぎないからです。
論文ではこれに含まれるポリフェノール総量は約 20mg であると述べていますが、この場合カルノシン酸の含量は多くて 5mg 程度かと思われます。
このような低用量のカルノシン酸でも毎日飲むことによって明らかな脳の健康効果が期待できるということでしょう。